安全衛生に関する活動を組織的に展開するために、安全衛生のための委員会が構成されており、大学の安全に関する議論、決定を行っています。学内における安全衛生関係の委員会、ワーキンググループは以下のものがあります。
環境安全衛生推進本部会議
名古屋大学における環境安全衛生に関する業務、管理運営、企画・立案を行うための会議です。
月に一度開催されています。
事業場安全衛生委員会
本学には4つの事業場があります。(東山、鶴舞、大幸、東郷)
それぞれの地区で月に一度開催されており、地区ごとの問題や大学全体での安全に関する事項などを共有、議論を行っています。
その他、委員会、ワーキンググループにおける活動
その他、個々で必要とされる事案に関しては別途WGが作られ、詳細な点について議論、意見交換を行っています。
WGの例:
安全向上WG
衛生管理者
排水
作業環境測定
安全に関する教育はあらゆる業務について必須のものです。特に大学では研究実験を始めとした危険作業を行うことから、教育の実施と受講は不可欠です。環境安全衛生管理室では、安全衛生に関するマニュアルの整備、各種講習会の開催、安全のための教材の作成と公開、そして学生を対象とした講義などを行っています。
<実施している講習会の例>
・化学物質取扱者講習会 ・・・廃棄物処理と連携、必須講習
・一般高圧ガス取扱講習会
・局所排気装置自主検査のための講習会 ・・・局所排気装置等定期自主検査者研修コースに準じた講習
・新規採用職員のための安全講習会
・新入生ガイダンスにおける安全講習会
また、本学では「安全教育ガイドライン」を定め、教職員、学生の「安全」を確保するために必要な安全衛生に関する教育、講習に関して規定しています。このガイドラインに合わせた教育用教材の作成や、実際の講習会を実施しています。
学内での研究実験活動や成果活動等には危険が伴います。その関係で残念ながら多数の事故が発生してしまっています。ほとんどの事故は軽微な事故ですが、運が悪ければ命にかかわる事故も起きえるのが研究活動です。
この軽微な事故の段階でなぜ事故が起きたのか、問題点はなんだったのかを確認し、再発防止に活かすことは極めて大事な安全活動と考えています。
事故時の緊急連絡体制の整備に加えて、本学では事故が起きた場合に「事故・災害発生報告書」を作成、提出してもらい、情報を全学で共有しています。それらの情報を元に再発防止策を立案、全学にフィードバックする活動を継続して行っています。
研究現場や居室などの安全を確保するためには日常の安全衛生点検や、安全パトロール(巡視)が不可欠です。本学では、各研究室、居室等での自主的な安全衛生点検を行うことと、部局で選任された衛生管理者や、産業医による定期の巡視を行っています。
実験活動で生じる廃液や廃棄物などは産業廃棄物として厳格なルールの元で処理する必要があります。名古屋大学では、学内から排出する薬品の廃液・有機固形物等について、外部委託し焼却処理を行っています。
環境安全衛生管理室では外部委託に際しての分別の方法などの廃棄方法、回収場所、回収の日時などを定め、現場における適正な廃棄をサポートしています。
廃棄に関しては化学物質安全取扱講習の際に廃液の処理に関する講習枠を設けており、この講習の受講がないと学内から廃液は廃棄できないルールになっています。
学内で研究のために多用する化学薬品は全て危険有害性を有しており、安全な取り扱いや管理上、様々な規制があります。これら薬品の取扱時の事故も多く、取扱に際した講習やルールの策定などを行っています。
また、少量多品種の薬品類を法規制に法った適正な管理を行うために、コンピュータ管理による化学物質管理システム(MaCS-NU)を導入しています。
本システムは、教育研究に使用する全ての化学物質の購入から廃棄までの記録を管理しています。MaCS-NUは60万超の試薬情報を保持しており、その情報には容量等に加え、有機・特化、毒劇物、消防法等の法規情報も内蔵しており、使用者はこれらの法規に遵じた管理ができます。このシステムの情報は、研究室単位での在庫管理、使用帳簿等の利用に加え、大学全体として、危険物の所在管理、PRTRでの取扱量の把握、作業環境測定の基礎資料等にも利用しています。
高圧ガスや液体寒剤も大学での研究活動に必須です。高圧ガス、寒剤も化学物質であり、安全な取り扱いを徹底する必要があります。
高圧ガスの取扱に関する講習会や、年に1度の定期点検なども実施しており、安全な取扱に関する対応は今後も継続していきます。
また、高圧ガスについて、本学では化学物質と同様に高圧ガス管理システム(MaCS-G)を導入しており、学内に保管されている全ての高圧ガスの管理を行っています。