PAGE TOP ▲
  1. TOP
  2. 化学物質と高圧ガス管理
  3. 化学物質等のリスクアセスメント

化学物質等のリスクアセスメント



令和5年4月および令和6年4月から施行された労働安全衛生規則等により、危険有害性を示す化学物質等の取扱いについてリスクアセスメントを実施することが強化されました。

名古屋大学では化学物質等安全管理規程で化学物質等の使用時にはリスクアセスメントを実施することを規定しています。従前より化学物質等のリスクアセスメントを実施いただいている研究室もあると思いますが、今後、化学物質等を取り扱うすべての構成員は実験等の前に化学物質等のリスクアセスメントを実施いただくようお願いいたします。その際、以下に留意ください。


化学物質等のリスクアセスメントについて(本ページ)
リスク低減措置の事例
ばく露の程度の把握
災害等のリスクの高い事例
リスクアセスメント対象物

化学物質等のリスクアセスメントガイドライン

| 概要 |
化学物質等による災害、健康障害及び環境汚染を防止するため、これらのリスクを十分に評価し、許容可能な程度までそのリスクを低減する必要があります。また、化学物質等にばく露される程度を最小限度とし、適切な作業環境を確保してください。

| 対象物質 |
危険有害性を示す全ての化学物質等をリスクアセスメントの対象とします。同様に、高圧ガス等の取扱いや化学物質等・高圧ガス等の廃棄に伴う災害等のリスクも評価してください。

なお、本学ではリスクアセスメントの対象を安衛法で定められているリスクアセスメント対象物に限定しません。これは、リスクアセスメント対象物は年々指定され、2900物質群以上となる方針が厚労省から示されおり、また、本学における化学物質等が関与した事故には、リスクアセスメント対象物以外でも原因となっているためです。

参照:労働安全衛生総合研究所「リスクアセスメント対象物に該当するか確認」

| 実施方法 |
化学物質等のリスクアセスメントは、化学物質管理責任者の責任の下、化学物質取扱者が実施します。化学物質等のリスクアセスメントの内容と結果は、研究グループ内で十分に情報共有、周知する必要があります。
原則として、次の4つの手順で行います。実験等に応じて適切な評価方法を採用することが望ましいです。

(1) 使用する全ての化学物質等の危険有害性の把握
(2) その化学物質等の取り扱い方法の確認
(3) 化学物質等の取り扱いに伴う災害等のリスクの見積り
(4) 許容できる程度までリスク低減措置の実施

化学物質等のリスクアセスメントは、以下の時期に実施します。

・ 初めて化学物質等を取り扱うとき
・ 取り扱う化学物質等の危険有害性が極めて高くなったとき
・ 作業手順を変更するとき
・ 化学物質等の量、温度、圧力、性状、配合率等を変更するとき
・ 前回の実施から3年経過したとき

| 実施記録の内容と保存 |
化学物質等のリスクアセスメントの実施記録には、実施日、実施者、化学物質管理責任者名、研究グループID、作業概要、評価する化学物質等、化学物質等の危険有害性に関する情報、ばく露の状況、リスク低減措置、残存するリスクの程度、化学物質取扱者の意見等を含めます。
リスクアセスメントの実施記録は、少なくとも3年間、化学物質管理責任者が保存します。

⎆ 実施に関するQ&A [ PDF形式 ]

教育資料

化学物質取扱者講習E-ラーニング(TACT)にて「化学物質のリスクアセスメント」が受講できます。
必要に応じてご利用ください。
TACT > 化学物質取扱者講習 > 化学物質のリスクアセスメント


リスクアセスメント支援ツール

化学物質リスクアセスメントの実施にあたり参考となる具体的な方法をご紹介します。ご活用ください。
⎆ 名大チェックシート(Version 2)[ EXCEL形式 ]
(日本語版と英語版が別々のシートになっています)

⎆ PowerAppsのシート [ 工事中 ]

厚生労働省「職場の安全サイト」化学物質のリスクアセスメント実施支援HP
健康リスクだけでなく、「爆発・火災」のリスクアセスメントのためのツールなど、種々のリスクアセスメント手法が紹介されています。「CREATE-SIMPLE」は試験・研究機関向けのツールで、健康リスクと「爆発・火災」のリスクを見積もることができます。

福井大学リスクアセスメント
化学物質の健康影響および爆発・火災等のリスクについても評価できます。

オックスフォード大学のリスクアセスメント
上記サイト先に様式と記入例があります。

リムリック大学のリスクアセスメントト

注文者から受注者への情報伝達

化学物質等を取り扱う実験室等内で、修理や点検等の作業を外注する場合、注文者は化学物質等の危険有害性等の情報を受注者に文書で伝える必要があります。これは、受注者が知らないうちに危険有害性のある化学物質等により、労働災害となることを防止するためです。例えば、大学においては、以下のような場合が該当すると考えられます。

・ 化学物質等を使用中の実験室に機器を設置する。
 (化学物質等を使用しておらず、災害等の恐れがない場合、受注者への情報伝達不要です。)
・ 作業環境測定士が実験室の作業環境測定を実施する。
・ 化学物質等にひどく汚染された設備の修理、点検、清掃を行う。

受注者への伝える化学物質等の危険有害性等の情報には、以下のようなものが挙げられます。受注者に事前に危険有害性の情報等を文書で伝え、受注者が確実にリスク低減措置を実施できるようにしてください。

・ 災害等のリスクのある化学物質等の危険有害性の種類と程度
・ 作業時の注意事項
・ 安全確保措置、災害等のリスク低減措置
・ 異常発見時の報告

参照:規程、ガイドライン等

化学物質等安全管理規程
化学物質等のリスクアセスメントガイドライン
厚生労働省HP「化学物質による労働災害防止のための新たな規制について」
国立大学協会「大学の自律的化学物質管理ガイドライン」