2019年4月より名古屋大学環境安全衛生管理室の室長を拝命した富田賢吾です。
環境安全衛生管理室は2006年に設置された組織です。1976年(昭和51年)に設置された「廃液焼却処理施設」における廃棄物処理から始まった業務は化学物質全体の管理などへ拡充し、その後、国立大学の法人化(2004年(平成16年))による関係業務の大幅な拡充に伴い、改組される形で環境安全衛生管理室は設置されました。
それ以降、安全衛生関係業務や作業環境管理、そして安全教育等の業務を拡充し、様々な講義・講習等の教育展開、ガイドラインの制定や管理システムの運営、そして、緊急時対応などの現場対応を継続して続けてきました。
しかし、環境安全衛生管理室は発足から13年経過した今も多数の業務と課題を抱えています。それは大学全体における安全マネジメントの不足している点に他ならず、今後益々の改善、拡充、展開が必要とされています。
昨今のリスクマネジメントの時流を受けたN(核)B(バイオ)C(化学物質)のトータルリスク管理への展開、国際標準を含めた安全教育の充実、プログラム化、そして、国内大学はもちろん、海外大学との連携を通して「大学に安全“文化”を醸成すること」・・・
重要な研究に邁進しながらも、その根底には必ず環境・安全を意識する。当たり前のようでいてなかなか実施できていない難題です。この意識を醸成し、この意識を持った人材を輩出するためにも、「文化」として根付かせることこそ、最大の課題であると考えています。
私自身、化学工学の分野で研究を続けていた研究者であり、2004年の法人化のタイミングで大学の環境安全管理の分野に飛び込み、専任としてこの管理に従事し、早15年ほどの年月が経とうとしています。その間、複数の大学を渡り歩き、異なる大学文化に触れ、異なる組織体制の中で活動を続けてきましたが、どの大学でも共通する課題に安全管理・マネジメントが上げられていました。
安全に研究を遂行するために・・・効率的に、合理的に行うために・・・
安全を「文化」として定着するために・・・
廃液焼却処理施設の設置から40周年の節目を迎え、村田静昭前室長の下、2016年(平成28年)には創立40周年記念講演会を実施したことは記憶にも新しいことです。40年の年月の間、管理室業務に従事頂いた諸先輩方に心からの敬意を示し、その志を継ぎながら、私を含めた教員、そして技術職員、事務職員が一丸となり、「名古屋大学の環境安全管理は日々進化する」、と言われるような体制を継続し、さらなるキャンパスの安全・安心を向上させる活動を行っていきます。
本学構成員のみならず本学に関わる方々のご理解とご支援をよろしくお願い致します。
2019年12月 名古屋大学 環境安全衛生管理室長 富田賢吾